オタク特有のスラング。
2004年、流行語大賞ノミネート。2005年は「萌え〜」として流行語大賞トップテン入り。
一般に「架空のキャラクターに対する愛情」として理解されることが多い。が、マスコミ的にはオタク全般に対するイメージと合わさり、歪んだ伝搬をされることもしばしばである。なぜか萌え=メイドさん、のニュアンスが付加されるなど。
1990年頃から、ある特定の(名前に「萌」の文字が含まれている)アニメキャラクターや声優などのファンの間で使われていたとされる。その発信元が誰のファンからなのかは諸説紛々ある。
実際には「燃える」のミスタイプ説、駄洒落説が有力であり、上記の三例は成立過程のひとつに過ぎないとみなす識者も多い。
「萌え」、と語幹で切って名詞化されているのは、「萌える」という動詞としてだけでなく、「萌え萌え」という反復語(擬態語に近い)や「萌え〜!」という感嘆詞(これは上記の「萌」という名前のヒロインを叫んだものでもある)として用いられることが多かったため。こういった擬態語や感嘆詞としての表現は、「燃える」の方が先行していたことに注意(パソコン通信の過去ログなどで「燃え燃え」や「燃え〜!」といった会話が発見できる)。
そもそも「燃える」という表現自体が、キャラクターへの愛情を自然現象に喩えたメタファーだったわけだが(「心温まる」という隠喩表現があるように)、「芽生える」という意味の「萌える」の方が、より適切なメタファーとして機能したため、現在の普遍性を獲得しえたのだと思われる。
一般書や雑誌、同人誌における黎明期の用例の収集。
「萌え」自体は名詞、もしくは形容動詞の語幹として活用する。
前述したように「萌え萌え」という擬態語、「萌え!」「萌え〜!」という感嘆詞としての用法がある他、接頭辞(「萌え属性」など)や接尾辞(「妹萌え」など)としても用いられる。
動詞としての「萌える」は、一人称にも他人称にも付けることが可能なので、「私は○○に萌える」「あなたは(私から見て)萌える」「彼女は(私から見て)萌える」などと多種多様に表現することができるが、日本語の常として主語は省略されがちである。
なお、本来「萌え」は「草木が芽ぐむこと」を指す言葉である。
(1)マンガ・アニメ・ゲームの少女キャラなどに,疑似恋愛的な好意を抱く様子。特に「おたく好み」の要素(猫耳・巫女(みこ)などの外見,ドジ・強気などの性格,幼馴染み・妹などの状況)への好意や,それを有するキャラクターへの好意をさす。対象への到達がかなわぬニュアンスもある。
(中略)
(2)(1)が転じて,単に何かが好きな様子。または何かに熱中している様子。
萌え(もえ)とは、アニメ・漫画・ゲーム等様々な媒体におけるある種の対象に対する、何らかの感情の高まりを表す言葉。詳細説明は後述。「萌え」は2000年代中盤から社会的に広く認知される言葉となり、現在ではその経済的価値が注目されマーケティング対象として研究される社会現象となっている。
Moe or Moé (萌え pronounced mo-EH) is a Japanese slang word originally referring to a sometimes fetishistic feeling of affection for or sexual attraction to female characters in video games, Japanese anime and manga -- either individually or as a group. For example, 眼鏡っ娘萌え, meganekko-moe, "glasses-girl moé", describes a person who has a thing for (fictional) girls with glasses.
訳:Moeとは元来、ビデオゲームや日本のアニメ・マンガに出てくる女性キャラクターに対し、個別に(注:特定のキャラクターに対し)、あるいはグループ的に(注:同一の萌え属性を備えるキャラクター全体に対し)感じる、フェティシズム的な愛情や性的魅力のことを言う、日本の俗語である。例えば眼鏡っ娘萌えは、眼鏡をかけた(架空の)女の子が大好きな人のことを言う。
「萌え」は芽生えを意味する「萌える」が語源です。アニメやまんが、ゲームの登場人物に愛情を覚えることをいいます。アニメなどに強いこだわりを持つ「おたく層」から生まれました。そんな「萌え」を意識した書籍や映像、ゲームの市場規模が2003年で888億円になることが、浜銀総合研究所(横浜市)の調査でわかりました。また、昨年秋、イタリアのベネチアで開催された国際建築展の日本館のカタログには日本特有の美意識を示す「侘び」「寂び」と並んで「萌え」も紹介されました。日本のアニメが人気を集めていることもあり「萌え」も世界に広がる可能性があります。
アニメなどの登場人物の性格で、愛らしい「萌(も)え」という感情を意識した書籍や映像、ゲームの市場規模が、03年で888億円に上ることが浜銀総合研究所(横浜市)の調査で分かった。バターやステレオコンポの出荷額と並ぶ規模で、同研究所は「近年大きく膨らんだ市場。無視できないジャンルとして確立している」と分析している。
(略)
浜銀総研は、萌え市場を書籍・映像・ゲームの3分野に分け、書籍は関連するコミックの販売額から273億円、映像は関連アニメビデオソフトの販売額から155億円、ゲームは恋愛シミュレーションゲームの販売額から460億円と推計。おたく層全体のゲームなどの市場規模は約2900億円との推計値もあり、単純比較で3割が「萌え関連」とみられる。
関連資料:『おたく層全体のゲームなどの市場規模は約2900億円との推計値』のデータ元
株式会社野村総合研究所(略)はこのほど、特有の消費行動を示す日本のマニア消費者層(いわゆる「オタク層」)の市場規模推計と実態に関する調査を、主要5分野(アニメ、コミック、ゲーム、アイドル、組立PC)について行いました。今回の推計で、5分野全体におけるマニア消費層の消費規模は約2,900億円に達することがわかりました。コンテンツに関連する4分野(アニメ、アイドル、コミック、ゲーム)の産業全体の市場規模は約2兆3,000億円であり、このうちマニア消費層の割合は、金額ベースで11%を占めることになります。マニア消費者層の市場に対する影響力と消費規模は、もはや「ニッチ」とは言えなくなっています。